The Kazui Press
書体見本帳
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■概要

嘉瑞工房は、昔ながらの金属活字を使用した活版印刷の会社です。海外の活字鋳造会社から直接輸入した品質の高い欧文活字を多数保有し、端物印刷物を主に制作しています。名刺、レターヘッド、封筒などはもちろんのこと、招待状のような社交用印刷物や、フォーマルなディプロマ(賞状類)なども得意としています。
欧文タイポグラフィーのルールにのっとった、海外でも通用する本格的な印刷物を提供しています。もちろん和文印刷にも対応しています。

嘉瑞工房は戦前から続く活版印刷工房ですが、大量の印刷物を安価に生産することを目的とした印刷会社ではありません。むしろ、少量でも時間をかけて質の高い印刷物を作ることをモットーとしています。

活版印刷は産業としては衰退してしまいました。日本だけでなく海外でも多くの活版印刷業者が消えていきましたが、嘉瑞工房は今も健在です。コンピュータ組版で便利になった反面、熟練した組版工の技術や知識が伝わらず、組版の質の低下を招いてしまいました。これは海外でも状況は同じようです。そんな今だからこそ、より良い印刷物、質の高い本物のタイポグラフィーが求められるようになってきました。嘉瑞工房の存在意義はむしろ高まっているように思えます。

タイポグラフィーとは“印刷用の書体を使って、読みやすく美しく文章を並べる”ことです。最も狭義の定義は“活版印刷術”そのものを指します。嘉瑞工房は、タイポグラフィーの基本をしっかりとふまえたうえで印刷物を制作しています。

Masao Takaoka

■プロフィール

高岡昌生(有限会社嘉瑞工房 社長)

1957年(昭和32年)7 月21日 東京生まれ
1980年(昭和55年) 國學院大學法学部法律学科 卒業
現在
Member of the British Printing Society
(英国印刷協会会員)
Member of the Society for the promotion of the Art of Printing, Leipzig.
(ドイツ・ライプチヒ市印刷技術振興協会会員)
武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科特別講師
ドイツ・ライノタイプ社極東顧問(コーポレートタイプ担当)
Fellow of the Royal Society of Arts
(英国王立芸術協会フェロー)

Juzo Takaoka

高岡重蔵(有限会社嘉瑞工房 相談役)

1921年(大正10年)1月 18日 東京生まれ
現在
Fellow of the Royal Society of Arts
(英国王立芸術協会フェロー)

Yoshimitsu Inoue

■嘉瑞工房の歴史

嘉瑞工房の歴史は、戦前のアマチュアプリンター井上嘉瑞(よしみつ)の印刷工房から始まります。個人の趣味で始めたものが本格化し、日本郵船社員としての5年間のロンドン生活を通して、活字収集と本場のタイポグラフィーの吸収に取り組みました。嘉瑞工房の名称は井上の名前から付けられました。
このころ、ロンドンから日本の欧文印刷物の質の低さを指摘する論文"田舎臭い日本の欧文印刷"を雑誌に発表し、当時の日本の印刷界に大きな刺激を与えています。帰国後も原宿の自宅に工房を持ち活動を続け、いくつもの著作や印刷物を残しました。

戦前の帰国直後からその井上に師事し、戦後、嘉瑞工房を引き継ぐことになるのが高岡重蔵です。
井上から直接タイポグラフィーの指導を受けた唯一の人で、戦争で灰塵に帰した工房を井上とともに復活させました。仕事が多忙となった井上は工房の実務をはなれ高岡が中心となり、それまでのPrivate Pressから今度は営利目的の印刷工房として活動していくことになります。 そして井上の死後、高岡が代表取締役となって嘉瑞工房を引き継ぐことになりました。
高岡重蔵は欧文タイポグラフィーに関する著作も多く残しています。また、教育者としても大学や専門学校の教壇に立ち、多くの若者の指導にもつとめてきました。工房にも直接タイポグラフィー好きの人々が集まるようになり、「金曜サロン」と称しここで何人ものデザイナーやアマチュアプリンター達が教えを受けています。
高岡の長年に渡る活動は、日本国内より海外で評価されることが多く1995年に英国王立芸術教会フェロー(終身会員)の称号を与えられました。

1995年から高岡重蔵の息子、高岡昌生が工房の社長に就任し、高岡重蔵は相談役となりました。高岡昌生も現在、武蔵野美術大学の講師をつとめ、学生達に欧文タイポグラフィーの基礎修得のため活版印刷の実技指導を行っています。
また、1998年から2002年まで、凸版印刷株式会社による印刷博物館の印刷工房「印刷の家」のアドバイザーを、2人でとともにつとめました。
2003年から、長年の友人である欧文書体デザイナー、小林章氏からの推薦を受け、ドイツ・ライノタイプ社の極東顧問も務めています。
2005年に父重蔵に続き英国王立芸術協会フェローに推挙・選出されました。

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